2017年の就活市場は、近年まれにみる売り手市場のようですね。
過去には就職超氷河期と呼ばれた時代や、リーマンショック後の冷え込んだ時代などもありました。
そのころを思い浮かべるとまるで嘘のように活況です。
なぜこんなに就活市場が盛況なのか、ちょっと真面目に考えてみたいと思います。
そもそも働ける人が減っている
「生産年齢人口」という言葉をご存じでしょうか。
簡単にいうと、「15歳以上65歳未満」の人口のことですね。
この年齢層は「労働力」となる人たちだとみなされています。
この生産年齢人口が、年々減っていて、ついに8000万人の大台を割ってしまったのが2013年のこと。
しかも、この先も増える見通しはありません。
つまり単純に「働くことのできる人」「労働の中心となる人」の数がどんどん減っているわけです。
ちなみに日本は国際的にみても生産年齢人口の減少率がかなり大きく、2015年から2030年までで12%も減るという見通しが出ています。※
ではなぜここまで生産年齢人口が減るかというと、高齢化が進んでいるからです。
日本では65歳以上の人がすでに27%近くになっていて、今後この割合はどんどん増えます。
要は純粋に労働力がどんどん減っていて、需要と供給のバランスが崩れているんですよね。
特にどの企業も若い人は欲しいですから、自然と売り手市場になります。
就職氷河期の影響で「働き盛り」の人が減っている
90年代から2004年あたりまでの就職超氷河期の影響で、40代前半から30代後半の人々が少ないという会社が多いです。
この時期は採用を控えていた企業が多く、今になってそのツケが「人手不足」としてのしかかっているといえます。
30代後半から40代、もっと簡単にいうと「アラフォー世代」ですかね。
この層が足りないと、会社はうまくまわりません。かといって、今から雇うにしても微妙なところです。
そこで若手をできるだけ採用し、この穴埋めをしようと考える企業が増えています。
中途半端な会社に固執する必要が無い
この10年、ものすごい早さで「働き方」が見直されています。
こういった流れから、「どこでも良いから正社員!」といった考え方が下火になっているようです。
散々苦労してブラック企業や待遇の悪い会社に勤めても、それほど見返りがないというのがバレちゃってるんですよね。
これはある意味当然で、正社員信仰や新卒一括採用といった「洗脳」が解けてきているともいえます。
クラウドソーシングやリモートワークの発達で、就職せずに稼ぐ方法も増えましたし。
まあ、日本の就職市場って世界的に見ても結構変わってますので…。ある意味みんな「素」に戻ってきているといえます。
ということで、力のありそうなベンチャーや大手企業以外は見向きもされず、地方の中堅中小企業なんかでは「採用超氷河期」になっています。
(就職氷河期の逆ですね)
こういった流れも売り手市場を加速させている要因でしょう。
まとめ
少し辛口でしたが、売り手市場の理由として3つ挙げてみました。
現在の売り手市場は、一時的な好景気などが理由ではなく、明らかに日本の構造的な問題の結果だと思います。
また、企業側も本気で「働き方」「ワークライフバランス」を考える良い機会だと思いますね。
いずれにせよ、売り手市場の時代に生まれたことは「超有利」です。
このチャンスを目いっぱい活かし、その後の転職を有利にしていきましょう!