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会社の奴隷として働いた苦痛と共依存

 
はじめまして!ねねこと申します。ブラック企業の依存と洗脳は身近に潜んでいます。自身の体験を書いていますので今悩んでいる人に届けば嬉しいです。
 
 

 

 

 

会社で働いていく上で、自分の能力にあっているかどうか、自分がやりたい仕事かどうかが大切ですが、会社の環境もとても大切です。能力はあっても発揮できない、自分がやりたい仕事と異なってしまうとストレスを感じてしまいます。それと同様に環境が劣悪であれば、精神的ダメージが重くのしかかっていきます。

今回は、私がある企業で体験した、一種の依存状態になってしまったブラック企業体験をお話ししていきます。

「自分がいなければ!」自己犠牲の精神を発動

私がブラック企業に入ったのは、その地域に支社を出した直後でした。スタッフとしていたのは立ち上げスタッフとして、少しの間手伝っているという、社長の知人です。それ以外の人は現在面接中とのことで、私が支社スタッフ1号という環境でした。

立ち上げという環境で不安がなかったわけではありませんでしたが、以前も立ち上げたばかりの会社にいたこともあり、それほど心を痛めるような状況にはならないと思っていました。状況だけみれば心を痛めることはなかったのですが、社長の人格が最悪だったのです。

 

はじめは、その人格を公にしていませんでしたが、立ち上げスタッフの人と衝突している時の言葉や態度を見て「おや?」と感じ始め、それからだんだんと短気な性格であることが判明しました。

 

短気な性格自体は悪いとは言いませんが、それを周囲に当たり散らすため、仕事をしていてもいつ自分に降りかかってくるだろうと怯えつつ仕事を進めなくてはならなくなりました。

それからしばらくして、私自身、怒鳴られることがありました。いまとなってみれば、入ったばかりの会社で、やり方もろくに教わっていない状況下で、怒鳴られるのは理不尽極まりないのですが、とにかく大声で怒鳴り散らしてくるので、怯えることしかできなかったのを覚えています。

社長は理不尽なことで怒ったり、自分とやり方が違うだけで不機嫌になったりする人間でしたが、私も社会人として何年も仕事をしていたため、自分で一番効率の良い方法を知っていましたし、社長と同じやり方である必要もないと思っていました。

 

その度に不機嫌になったり、こちらの話を聞かなかったりと、トップとしてあるまじき態度だったと思います。

 

そんな会社だったので、人によっては1週間で辞める人もいました。ですが、それでも一緒に働いてくれる人が出来たため、私は「この人たちを守らないと」と思ってしまったのです。これが依存の始まりでした。

 

自分よりも、一つや二つ年下の人を社長の暴言から守り、仕事がしやすいようにフォローしなくてはいけないと、思うようになってしまったのです。

 

その理由としては、社長は暴言を吐いた後、必ずと言っていいほど「言いすぎた、ごめんね」というように謝り、「すぐ怒るのはいけないとわかっているんだけど…。」「これで人が辞めてしまわないように、間に立ってほしい」と言われ続けていたからかもしれません。

 

なぜそんな役回りをしなくてはならないのか、という疑問よりも、「あの暴言を浴びたいと思う人は自分含めていないだろう。できるだけ聞かないように過ごしてもらいたい」という思いが強く、その結果自分が犠牲になったのです。

 

こうして負の連鎖が続き、いつしか私は支社スタッフのミスを全て引き受け暴言を聞き、うまくスタッフに伝えるという役目を背負ってしまいました。

 

この頃から、だんだんと体調を崩していくようになり、スタッフに「辞めたい」と漏らすようになりましたが、そうすると暴言を引き受けている人がいなくなり、また相談相手もいなくなってしまうため「辞めたら私も辞めるかもしれません…」と言われ、お互い依存しあうようになりました。

 

毎日が暴言のオンパレード

バカ。アホ。日常茶飯事のごとく言われ続けていた言葉。

正直なところ、社会人になってから会社の上司に言われたのは初めてでした。今まで言われたことがないからこそ、その暴言一つ一つに心を痛めるようになりました。

「私は本当にできないのではないだろうか」「自分は社会人としてダメなのではないか」毎日、このように悩み続け、いつしか仕事をしたくないという気持ちでいっぱいになりました。日々言われ続ければ、その言葉は暴力となり自信喪失にも繋がります。私自身、自信を失い一つ一つの作業を丁寧にやらなければ、ミスがないようにしなければと頑張っていたところ、今度は「遅い」と言われるようになりました。「これくらいのことができないのか」「無能」そんな言葉まで投げつけられます。

 

そのくせ、仕事を任せようとしてくるので、心のそこからバカだとかアホだとかは思っていなかったのかもしれません。ですが、人はずっと言われていると、自信も無くなりますし、そんな人の元にいる意味がないと感じます。もちろん、今までの仕事の仕方を否定されているとも感じます。

 

私は、暴言が日常化するようになってから、市販されている「罵詈雑言辞典」まで購入し、どのような暴言にも慣れようという明後日の方向へと努力したこともあります。

 

ブラックなのは暴言だけではない。恐ろしき給与遅延

私が以前勤めていた会社は、社長の暴言の他に給与遅延が多発していました。入った当初はなかったのですが、それから1ヶ月2ヶ月と続き、20日が給料日だとすると、翌月に支払われる状況にまでなりました。

 

そうなってしまうと、月々の生活にも支障が出始めてしまい、このままで大丈夫なのだろうかと不安が募っていくばかりです。やがて日頃から負担になっていた精神的苦痛と、給与遅延による不安感から体調を崩すようになり、無理をしながら仕事をする、会社に出れない日は家で仕事を行うという日々を繰り返しました。

 

この給与遅延問題は、私が辞める日まで続き、今もなお続いていると推察します。理由としては、しっかりとした経理の人間を雇わずに、社長自ら行っており、その社長自体が忙しさを理由に、スタッフの給与関係を後回しにする傾向にあったからです。忙しいからと言っても、給与や保険関係を後回しにして遅らせるのは、会社として良くないですし、あってはならないことだと思います。しかし、ここでもまた、洗脳状態だったため、「仕方ない」「自分が我慢すれば良い」と言った思考になっていました。

 

甘言を囁き人を動かそうとする

 

私が、このように扱われていてもすぐに会社をやめなかった理由としては、将来的な独立が目標だったからです。将来独立して仕事をしたいと考えた際に、それをバックアップしてくれる存在があれば心強いでしょう。就職活動を行っているときも、そのような求人を探し、応募していました。

 

いくつかの企業のうち一番早く反応してくれたのが、この会社だったのです。面接時も、将来独立したいという話をすると、「サポートする」「バックアップできる」と一切の迷いなく言ってくれました。実際はその言葉に騙され、体調を崩すまでになってしまいましたが。

 

社長は、こちらが辞めたいなと思ったときや、何度も暴言を吐いて精神的に辛くなったときを見計らったかのように、「このプロジェクトがうまくいけば」「将来的に支社を任せたい」などと責任感を持たせ、また期待させるような発言を繰り返していました。確かに、将来的に独立したいと考えていたので、その時期が早まれば良いと考えていましたし、依存関係にあったものの、円満退社したいと常々思っていたので、その時辛くても頑張ればと自分を奮い立たせていた時期もあります。

 

しかし、この奮い立たせていたのが間違いでした。なぜならば、頑張れば頑張るだけ「まだ大丈夫だな」と思わせてしまっていたのです。正直リソースが足りない状態だったのですが、それを個人の力でカバーしており、それも限界だったにも関わらず、次から次へと仕事を回してくるようになってしまいました。

時間外労働は当たり前、時給は上がらない、給料は遅れて支払われる、保険関係の保証はない。このように羅列すればすぐに逃げ出したくなりますが、その時はもう何かを訴える気力すら削がれていました。

 

まとめ

 

今となってはまるで「洗脳がとけた状態」のようです。なぜ、あのようにスタッフを人と扱わないような職場で、心身ともに疲れ果てるまで一所懸命働いていたのか、疑問しか残りません。

 

他のスタッフのため、会社のためと思っていましたが、それは、健全な会社であることが第一条件です。その健全な会社であれば、周りの人のためや、会社のため、ひいては社会のために働くのも正しいでしょう。ですが、私が以前いた職場は、健全ではない会社です。

 

それでも、その会社にいたのは、共依存のような関係性があり、その上で仕事を終わらせなくてはならないという責任感が自分の中にあったからです。しかし、一番大切なのは自分の健康であり、精神を病まないことです。これからは、ブラック企業に就職せず、幸せな時間を過ごして行きたいと思います。

 

この記事を書いた人

 

ねねこです。とり天にハマりました。人形作家らしいです。 コピーライター、webライター。プロップデザイン→美男高校地球防衛部/ひなろじ/ソラとウミのアイダ(ゲーム)⇒Twitterはこちら